コーヒーは誰でもわかるように液体だ。でも、ほんとうに液体なんだろうか。もともと豆だから、液体のはずはないし、豆はもともとは何だっていったら植物だ。そして昼下がりのライブハウスでのイベントは3回めを迎えて、コーヒーはいろいろな形のペーパーにもなる。ペーパー、紙。もちろんそれはコーヒーが注がれる紙コップのことでもあるし、新しいユニット名を抽選するために5人のメンバーがそれぞれに名前を記したカードのことでもある。紙のカードは裏返されて並べられた。円いテーブルの上でシャッフルされた。そして5つの名前のうちの1つが選ばれるのを、カードたちは裏返ったままで待っている。そんなカードの1枚1枚も、コーヒーだ。はじまりには1枚の硬貨があり、それは金属で、2種類のペーパーになり、それもコーヒーで、抽選された新しいユニット名は the coffee group だった。紙が飛行機になって舞うように、こんなふうな命名の跳躍がある。1枚の硬貨は(つねに、いつだって)たっぷりの重力に支配されて扁平に転がっているのに、そこから跳躍が起きる。コーヒーの背景に、宙がある。

古川日出男 小島ケイタニーラブ 近藤恵介 鈴木雄介 蓮沼執太