『ワンコインからワンドリップ』にご来場いただきました皆様、ありがとうございました。
オープニングセレモニーで振る舞いました"coffee"を少し歴史も交えて紹介したいと思います。

使用した豆はエチオピア産のモカ・ハラー(エチオピア・ウオッシュト)で、
この豆を選んだ理由の1つ目は、コーヒーの木の原産地はエチオピアだからです。
13世紀頃にヤギ飼い少年カルディの有名な発見伝説がありますが、
修道士の睡魔に打ち勝つ秘薬(赤い木の実)として登場します。


選んだ理由の2つ目は、現在でもエチオピアではカリオモンというコーヒーセレモニーが行われていてるからです。
他者に対する感謝ともてなしを表し、茶道の様に精神性と教養をコーヒーを飲む事で儀式化した作法の一つです。
現地のカリオモンは女性が執り行い、生豆の焙煎から始め、三杯飲み、二時間以上かかる場合もあります。
抽出方法はポットに直接、コーヒーの粉を入れて煮出す方法で浸漬(次第に浸透していく)法と言います。

今回のオープニングセレモニーではエチオピアのコーヒーセレモニーと同じ浸漬法のひとつである
トルコ・コーヒー(ターキッシュ・コーヒー)の抽出法で飲んでいただきました。
使用した器具はイブリック(ジャズベ)と呼ばれていて、フィルターを使わないので粉が沈んでから上澄みを飲みます。
シルクロードの東西南北、文化、民族の交差点だったトルコはコーヒー飲用文化が早くから浸透していて、
1554年、トルコ最大の都市、イスタンブールに世界初のコーヒーハウス「カフェカーネス」が開店します。
それから約100年後の1645年、ヨーロッパ初のコーヒーハウスが、ベネチアに開店し、
現在の様な嗜好品として定着していきました。

『ワンコインからワンドリップ』はコーヒーの起源を五感で知覚するセレモニーであり
『ヒデオブジェクトケイタニーラブ×シュータクティクス』はコーヒーと真摯に戯れ、新たな知覚をドリップしました。

このcoffeeプロジェクトは『テン年代』の茶道なのかもしれない。

鈴木雄介(J.C.Q.A. 認定コーヒーインストラクター2級/株式会社 スズアコーヒー店 )